医食同源|塩・味噌・醤油は気力・体力を補う「生命の源」

■塩

塩は、旧石器時代より存在する最古の調味料で、一番大切な生活必需品であったので、貨幣の代わりとして使われていたこともありました。サラリーマンの「サラ」は、古代ローマ時代に兵士の給料を「塩(=サラ)」で支払っていたことに由来しています。

日本でも、物々交換の市場があった土地に「塩」の字の付く地名が多いのは、塩が経済に深く関わっていたことを推測させます。人間の血液や妊婦の羊水中の塩分バランスと、海水のそれが酷似していることを考えても、人間にとって塩が栄養素としていかに重要であるかが判ります。

人間に限らず、すべての生命の起源は海にあるのだから、当然と言えば当然です。海は「生み」、つまり生命を生み出した所なのです。昔、暑い坑内での労働で、炭鉱労働者があまりの発汗で塩分を急速に喪失し、痙攣を起こして死亡することがよくありました。

塩分を失うことによって、食欲不振、消化不良、疲労、倦怠、悪心、嘔吐、めまいなどの症状をきたすばかりでなく、ひどくなると死につながります。

■味噌

日本の味噌は、茹でた大豆に塩を麹菌を混ぜ合わせ、桶などに入れて重石を載せて発酵・熟成させて作る独特の発酵食品です。味噌には、炭水化物、脂質や良質のタンパク質が含まれ、米を主食とする日本人には不足しがちなリジンやスレオニンなどの必須アミノ酸を補ってくれます。

また、味噌には強い防腐作用があるので、魚や肉、野菜などの味噌漬けは、冷蔵庫のない時代の貴重な保存食でした。

『本朝食鑑』に、味噌は「腹中を補い、気を益し、脾胃を調え、心腎を滋(ま)し、吐を定(おさ)め、潟(はらくだし)を止め、四肢を強くし、髭髪(ひげかみ)を烏(くろ)くし、皮膚を潤し……病後の痩せ衰えを壮にする……酒毒および鳥魚獣菜菌の毒を解する」とあり、正に万能薬と言ってもよいでしょう。ニコチンの害も消し、血中のコレステロール低下作用もあります。

■醤油

日本の醤油もまた、大豆、小麦、塩、水を混合して醤油麹菌で発酵させて作る独自の調味料です。醤油には、300種類近くの香りと味の成分が含まれていることが解っています。その香りを利用して、食物の臭みを消す方法に「醤油洗い」があります。また、熱い番茶に醤油と生姜汁を少量垂らして飲むと体が温まり胃腸病、冷え、貧血に効きます。

■現代西洋医学、栄養学は塩分を敵視するが…

こうした日本人の知恵の結晶とも言うべき塩、味噌、醤油であるにもかかわらず、現代医学・栄養学は、高血圧や心筋梗塞、胃ガン、腎臓病を誘発するとして敵視し、塩は1日10g以下の摂取が望ましいとしています。

しかし、私が5度、調査に出向いた旧ソ連邦のコーカサスに住むセンチナリアン(100歳以上の長寿者)たちの塩分摂取量は相当なものでした。主食の黒パンやチーズは塩辛いし、食卓に塩を入れた壺を置き、野菜や果物のみならず煮物やスープにも塩を振りかけて食べていました。

当地の長寿研究所のダラキシリビ教授に「この地域の人々は、こんなに塩分を摂っているのに、何故健康で長寿なのか」と尋ねたところ、

「塩分は体を温め、気力・体力を増し、健康を保つために一番大切な栄養素だ。但し、体内に溜ると確かに生活習慣病の原因となる。しかし、労働や運動で発汗して排泄すれば何ら問題はない」

という答えが返ってきました。そこで、長寿者たちを観察すると、彼らは百歳になっても農業・牧畜に従事している働き者揃いでした。つまり、現代人が敵視すべきは運動不足なのであって、人間にとって一番大切な栄養素である塩分を敵視するのは本末転倒も甚だしいと言わなければなりません。

昔、東北地方の人々が塩分を沢山摂ったのは、寒さから体を守るためだったのです。塩分が不足すると体が冷え、体力のみならず気力も衰えさせます。したがって、体の要求に応じて塩分をしっかり摂り、運動、入浴、サウナなどで発汗して余分な塩分を排泄するのが正しい健康法なのです。

『本朝食鑑』にも、塩は「無害……毒を解し、血液を涼(きよらか)にし、操(乾き)を潤し、痛を定め、痒みを止め……膺疔(顔にできる悪性のできもの)を治し、熱腫を散らし、疥癬を癒す」とあります。なお、塩はミネラルを存分に含む粗塩を用いるに越したことはありません。

【出典】医者いらずの食べ物事典 石原結實著

☆味噌、醤油は本醸造のものを選びましょう。また味噌は酵素が生きている生味噌にしましょう。

■塩についての補足

アメリカで発表された調査と実験報告が減塩神話の元凶
塩の摂り過ぎが高血圧の元凶であると、塩が悪者扱いされてから久しい。塩が悪者扱いされ、減塩神話が定着した背景にはアメリカで発表された調査・分析が不十分な調査報告と出鱈目な実験報告がある。その概要についてまとめた。

行き過ぎた減塩は国を亡ぼす!?
行き過ぎた減塩の弊害は、① 新陳代謝の衰え ② 食欲の減退 ③ 筋肉疲労 ④ 心臓の機能低下 ⑤ 腎臓の機能低下 ⑥ 国が亡びる(男は倦怠感や脱力感に襲われ、やる気がなくなる。女性は冷え性、流産、早産、不妊症が多発して子供が少なくなる)など計り知れない。

ミネラル不足が病気を招く|食塩や食卓塩は食品にあらず!
ミネラルが最も簡単に摂取できるはずの塩ですが、食塩の普及と減塩活動と共に摂取量が減り、ミネラル不足に陥っています。私たちの健康に不可欠なミネラルの働きについてまとめてみました。

にがり摂り過ぎの弊害|腎臓結石、胆石などを招く
にがりの主成分である塩化マグネシウム(Mgcl2)が体内のタンパク質やカルシムとくっつき、腎臓結石、胆石、子宮筋腫、心筋梗塞を招く。自然海塩の中でもにがり分を適度に調節した自然海塩が体によい。

食塩や食卓塩は化学薬品、食品ではない
食塩、食卓塩とは何なのか、塩の分類、現在主流となっているイオン交換膜製塩法について、まとめました。

塩分の欠乏と過剰による弊害、適切な塩分量とは?
塩分は摂り過ぎても欠乏しても、体によくない影響を及ぼすので、塩分は多過ぎても少な過ぎてもだめだが、実際の食事は塩分の多いものが沢山あるので、やや少な目にした方がよい。塩分の欠乏と過剰による弊害、適切な塩分量についてまとめた。

■味噌についての補足

味噌の有効成分とガン予防効果
生味噌には、アミノ酸、イソフラボン(アグリコン)、セリルトリプトファン(ペプチド)、メラノイジン、αーリノレン酸エチルエステル、サポニン、ビタミンE、レシチン、酵素等が含まれ、高脂血症・動脈硬化、肝臓障害はじめ胃ガン、乳ガン、大腸ガン、肝臓ガンの予防となる。

生味噌は血圧を下げる
生味噌に含まれるメラノイジンにはACE(アンギオテンシン変換酵素)阻害作用があり、難消化繊維としての役割に、塩化ナトリウム(塩分)を吸着して排泄する作用が強いから。乳酸菌を増殖させ、腸内で胆汁酸と結合し、コレステロールを多く排泄させ血中コレステロール値を低減させる。

生味噌は健康サポーター、酵素の力を生かす食べ方は?
味噌、特に生の味噌は健康保持に大変有効な食材です。酵素の力を生かすには、加熱し過ぎないこと。スティック野菜に付けて食べるか、冷や味噌汁(またはぬるま湯味噌汁)にして飲んだりすると良い。

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