医食同源|カキはミネラルを豊富に含む海のミルク

カキは世界中の海に生息し、その種類は約80種。欧米人が生食する唯一の水産物です。カキの養殖は、ローマでは2,000年も前に始まったとされていますが、中国ではもっと古い時代から行われていたようです。かつては、英国テームズ河口のカキは絶品とされ、シーザーはそのカキ欲しさにイギリス征服を企てたというエピソードもあるほどです。

日本で天然ガキの産地として有名な北海道の厚岸は、アイヌ語で「カキのある所」の意味があります。

カキは、生まれたばかりの頃はすべて雄で、成長する間に栄養を十分に摂ったものが雌になり産卵し、その後中性になって、次の繁殖期(6~8月)には、雄。雌のいずれかになる、という不思議な生態をしています。「牡蠣」と書くのは、カキは「牡(オス)」しかいないと思われているため。

栄養の豊富さから「海のミルク」と呼ばれるほどで、エネルギー源のグリコーゲンが100g中6gも含まれていること、ビタミンB群、鉄、銅、マンガン、ヨード、カルシウム、亜鉛などのミネラルが多く含まれ、赤血球の造血を促進し、血色のよい美肌を作り、骨歯を強くします。

特筆すべきは、体内の細胞の中で営まれている化学反応の触媒となっている、200以上ある酵素の含有成分である亜鉛の含有量が、全食品中、断トツのナンバー・ワンということです。不眠症や眼精疲労、精力減退にカキが抜群の効果を発揮するのは、カルシウムや亜鉛が一役買っているのでしょう。

経験的に肝臓病にもよいとされるのは、100g中1,022mgと驚くほど含まれているタウリンのためです。

カキフライは体を温めてくれるので、夜尿症や寝汗に効果があります。生ガキは少しでも古くなると食中毒の危険があるので、殺菌作用のあるレモン汁をかけるとよいでしょう。

カキが旨いのは、12月から2月までで、特に2月はグリコーゲンをはじめ、種々の成分の含有量が最高になるので最も旨い時期です。

その後、夏の産卵に向けてグリコーゲンも段々と減っていき、大味になってしまいます。ちなみに、日本では「桜が散ったらカキは食うな」と言われていますが、欧米では「Rのつかない月にはカキを食うな」と言われています。つまり、May(5月)、June(6月)、July(7月)、August(8月)です。

【出典】医者いらずの食べ物事典 石原結實著

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