医食同源|フグは糖尿病を予防する「西の冬の味覚」の定番

フグは怒るとお腹が「フク」れるからきているとも、ヒョウタンの意味の「フクベ」が語源とも言われています。漢字で「鰒」と書くのは「腹」が膨れる魚、という意味ですし、「河豚」と書くのは、中国のフグは河に棲み、ブーブーと鳴いていたので、この字が充てられたとのことです。日本のフグは海に棲むので「海豚」でもよさそうですが、これは「イルカ」を指します。

フグは卵巣や肝臓・皮膚や目に青酸カリの何十倍も強いテトロドトキシンという猛毒を含有しています。味が一番良いと言われるトラフグの肝臓1gの中に、5,000匹のマウスを殺す毒が含まれており、それで「テッポウ」の異名があります。「中ると必ず死ぬ」という意味で、「フグチリ」を「テッチリ」というのは「鉄砲チリ」からきています。

菜種の頃(3月の頃)のフグは産卵期になるため毒性が一番強くなり、俗に「菜種フグは食うな」と言われる所以です。歌舞伎役者で人間国宝だった、八代目坂東三津五郎がフグの肝料理を食べて亡くなった話は有名ですが、一尾の毒でマフグは3人、トラフグは13人、ヒガンフグは8人もの人間を殺す威力があると言われています。

フグの毒に中ると、30分位までに、まず口や手足が痺れ、次に嘔吐が生じ、次第に全身が麻痺し、やがて呼吸困難、意識消失、死へと至ります。しかし今は、調理法も発達し、料理人の腕も上がっているので、殆ど事故を耳にしないのは幸いです。


【出典】http://www.fugusashi.com/SHOP/set-j1.html より

フグの食べ頃は「秋の彼岸から春の彼岸まで」「橙の色づく頃より食い始め、菜種の花の咲く頃に食い終わる」と言われるように、冬です。

肉は脂の少ない白身で、グルタミン酸、イノシン酸を多く含むので、淡白な旨味があり、しかもタウリンが多く含まれるので、① 血栓症や高脂血症の予防・改善、② 胆石の予防、③ 肝臓や心臓の強化、④ 筋肉疲労の除去……などの効果があります。

肉の部分よりずっと旨いのが白子(精巣)。中国で白子のことを「西施乳」というのは、「春秋時代の越の国に絶世の美女・西施がいた。越が呉に征服された時、呉王・夫差は西施を自国に連れて帰ったが、西施の色香に溺れて、結局は国を滅ぼしてしまった」という逸話からきています。つまり、旨いものには陥穽がある、という戒めの意味が込められているのでしょう。

【出典】医者いらずの食べ物事典 石原結實著

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