医食同源|タイはタウリンが豊富な「百魚の王」

流通でタイというと、マダイ、キダイ、チダイ、クロダイの総称で、その代表はマダイです。姿・形共に天下一品で「百魚の王」と称されますが、貝塚からもタイの骨が発見されること、『古事記』の中の「赤海鰤魚」という魚がタイと考えられることから、大昔から食べられていたことは事実でしょう。

タイは「めでたい」という言葉にかけて、お祝いの席によく出され、お祝いの品として使われるのは周知の事実です。横井也有の「百魚譜」の中にも「人は武士、柱は檜、魚は鯛」とあるように、昔から日本人にとって、タイが「魚の代表」であったことがよくわかります。

九州一帯から北海道の南部まで分布しており、中でも瀬戸内海の「サクラダイ」が一番有名ですが、これは「桜の季節に獲れるマダイ」であるからでしょう。麦を収穫する初夏になって獲れたものは産卵後のこともあり、脂も抜けて味も落ちるので、「ムギワラダイは馬も食わず」ということになる訳です。

タイはタンパク質が20g(100g中)と高タンパク質ですが、低脂肪、しかも消化吸収が良いので、老人や病人、糖尿病、肥満、脂肪肝、高血圧や血栓症などの生活習慣病を持つ人の栄養源として最適です。

味が淡白な割に旨いのは、エキス分としてグルタミン酸やイノシン酸を含み、アミノ酸のバランスが良いためです。高度不飽和脂肪酸が少なく、イノシン酸が分解され難いために、古くなっても味が落ちないので「腐っても鯛」という諺が出来たのかも知れません。

タイの身は栄養分が少ないとされてきましたが、白身魚特有のタウリンを大量に含んでおり、① 胆石生成の抑制、② 強肝作用、③ 血中コレステロールの低下、④ 強心作用、⑤ アルコールの解毒、⑥ 血圧の正常化、⑦ 精力の増進、⑧ ガン転移の防止に役立ちます。

タイの頭のすまし汁である「うしお汁」は、昔から「産婦の乳の出をよくする」ことが知られていますが、ビタミンB2やゼラチン質の補給、冷え性の改善にも効果的です。

タイの身には、鉄、カルシウム、亜鉛などのミネラルの含有量が少ないので、鍋物にはミネラルを沢山含む小松菜や豆腐を一緒に入れるとよいでしょう。

【出典】医者いらずの食べ物事典 石原結實著

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