医食同源|イワシは血栓症を予防する海の人参

遠洋漁業に依存している我が国で、イワシは、近海の漁獲量で間に合っている数少ない魚の一つです。水揚げされるとすぐ死に、酸敗や油焼けを起こしやすく、風味もすぐになくなるため、漢字で「鰯」と書くのも納得できます。 

食用となるのは、マイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシ、キビナゴなどで、メザシやたたみイワシなどの加工品にもされる重宝な魚です。

古くから食べられていた魚で、かの紫式部も大好物であったと言われ、夫から「宮中に仕える身なので、あまり食べると魚臭くなる」とたしなめられた紫式部は、「イワシ」と「石清水八幡宮」をかけた和歌で、「日の本に はやらせ給う 石清水 まいらぬ人は あらじと思ふ」とお返ししたと言われています。

「イワシで精進おち」とか「イワシの頭も信心から」など、昔からイワシはとるに足らないものとして扱われ、大変安価でした。

但し、イワシには、血栓を防ぐEPAや脳の働きを高めるDHAなどの不飽和脂肪酸の他に、カルシウムがイワシ100g中70mgと多く、カルシウムも吸収をよくするビタミンDも豊富に含まれているので、骨粗鬆症の予防や精神の安定効果は抜群です。

また、老化予防成分のレチノールや核酸、脳神経の働きを高めるナイアシン、アドレナリンの原料になるチロシンなども含まれるので、健康増進及び病気や老化の予防効果の極めて高い魚と言えます。

江戸時代の『本朝食鑑』には「イワシは老を養って虚弱体質を治し、人を健康にして長生きさせる」とあり、現代医学や栄養学から見ても、極めて的を得た説明であることがわかります。

他にも、ビタミンA、B2、B6、D、Eなどや鉄分、アミノ酸バランスのよいタンパク質も存分に含んでいる、正に栄養素の宝庫と言うべき魚です。こうしたことから「イワシは海の人参」とも言われています。

「イワシ1000回、タイの味」とは、イワシも何回か清水で洗えば、臭みがとれて体と同じように旨くなる、という意味ですが、イワシは高級魚のタイよりもずっと健康食品なのです。

【出典】医者いらずの食べ物事典 石原結實著

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