医食同源|ナシは喉の痛みを和らげる百果の宗

ナシの原産地は日本、中国、欧州で、バラ科ナシ属の植物です。

■ナシの薬用効果

イタリアサレルノの医学学校で使われた教科書には、「ナシを食べれば小便、リンゴを食べれば大便」とあります。

中国の古書にも「ナシは大小便を利し、熱を去り、渇を止め、痰を開き、酒毒を解す」とあり、「百果の宗」と呼ばれていました。漢の武帝は庭園にナシを植えたと言われています。中国の北方は乾燥していて咽頭炎や気管支炎などを患う者が多く、それを予防するためっだったとのこと。

ナシを含んだ漢方薬の「雪梨膏」は、咽頭炎や気管支炎を伴って声がかすれた時の特効薬です。実際、喉が痛い時や風邪の時にナシを食べると痛みが和らぎ、痰も出やすくなるのをよく経験するものです。

『本草綱目』に「梨は利で、その性は冷利なり」とありますが、「ナシには体を冷やす働きがあり、種々の発熱性疾患に対して、解熱を促してくれる」ことを言っている訳です。漢方の古書『神農本草経』にナシが「薬」として記載されている理由がよくわかります。

栄養素としては、果糖、リンゴ酸・クエン酸などの有機酸、ビタミン・ミネラル類、精油(リナロール)などが、微量ですがバランスよく含まれているので、夏バテする時期の食欲増進や疲労回復薬としての効能が期待出来ます。

また、肉料理の消化を促進してくれる消化酵素が含まれているので、肉食後のデザートにお薦めです。果実がザラザラとした感じがするのは、石細胞と呼ばれる繊維の塊のためであり、便秘に効果があります。

ちなみに、歌舞伎界のことを「梨園」と呼ぶのは、唐の玄宗皇帝がナシの沢山ある庭園で、役者に芝居を教えた、という故事からきてると言われています。

■ナシを使った民間療法

・二日酔い
蓮梨汁(リェンリージュー、中国の民間療法) レンコンとナシの同量をジューサーにかけて出来たジュースをゆっくり、噛みながら飲む

・発熱性の病気
ナシ1個を薄切りにし、それをコップ2杯の冷水に半日をほどつけて飲む

・ひどい咳、痰
ナシ2個をジューサーで搾り、生姜の搾り汁を10~20滴、ハチミツを少量加えて、ドロドロになるまで弱火で煮詰めたものを飲む

・声がれ
ナシ1個をジューサーで搾り、そのジュースでうがいをする

【出典】医者いらずの食べ物事典 石原結實著

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