細胞内外のミネラルイオンの働きと神経伝達機構

細胞内外のミネラルイオン濃度は適正にバランスを保つことが健康には不可欠です。特にナトリウムイオンの働きは、酸・塩基のバランスの維持と緩衝作用の主要因子としての作用、その他体液浸透圧の調整、体液の異常喪失の防止であり、特に神経伝達物質として重要な役割を果たし、必須のミネラルです。

神経伝達機構は、細胞内外ミネラルの最良のバランスから生まれます。細胞内外ミネラルイオンの働きについて”食物療法大全「食」による病気治しの考証 鶴見隆史著”よりまとめました。

1. 細胞内外のミネラルイオン

主な細胞内のミネラルイオンはカリウム(K)、マグネシウム(Mg)です。細胞外ミネラルはナトリウム(Na)です。ナトリウムは細胞内にも少しありますが、その多くは細胞外に存在し、カルシウム(Ca)も圧倒的に細胞外に多いミネラルです(細胞内の約1万倍)。

【細胞内にNa,Ca増えると「れん縮」による血圧上昇】
ナトリウムとカルシウムは細胞外に多いうちはどうということはありませんが、何らかの作用で細胞内に入ってしまうと異常をきたします。これらのミネラル(Na,Ca)が細胞内に入って起こることは「れん縮」です。細胞が強く縮むのです。このれん縮が血管の細胞で起こった時に血圧が上昇します。


【出典】http://mag21.jp/contents/516 より

【細胞外にNaが増えると浮腫】
また、細胞外にナトリウムが増えるとホメオスタシスとして細胞内の水分が細胞外に浸出します。細胞内部はこの時、非常に収縮すると同時に水分を欲しがる反応(口渇)が起こり、脳の口渇神経を刺激します。その結果、大量に水を飲むことになります。細胞内外に水があふれ、これが浮腫となります。

問題は、こういったナトリウムとカルシムが本来あるべき細胞外に対し、割合としてはあってはいけない細胞内に増えてしまうことです。これらは糖化物質と一緒になって増加していきます。これが細胞毒となって細胞破壊につながるのみならず、細胞核まで冒してしまう。細胞の核が破壊されたら、そこで「発ガン」となります。

また、ナトリウムは、意外ですが全身の30%は骨に存在しています。つまり、ナトリウムの過剰摂取は骨もおかしくするのです。すなわち骨粗鬆症の原因となります。また、ナトリウムが過剰になると、細胞の内部にあまり入ってはいけない細胞外ナトリウムが侵入し、細胞収縮 → 動脈硬化が起こります。

細胞外のミネラルが細胞内に侵入すると、下図のように血管が収縮し、血圧が上昇したり動脈硬化を起こす訳です。それ故、やはり塩分の過剰摂取は問題があります。

2. ナトリウムは特に神経伝達物質として重要な働きが!

塩分過剰=ナトリウム過剰は病気のリスクを高めますから、塩分摂取はできるだけ少な目にした方がよいでしょう。その認識をしたうえで、ナトリウムの重要な働きについて述べます。ナトリウムの体内存在率はおよそ0.14%、重さでみると、体重60kgの成人で80g程度となります。

ナトリウムの主な役割は、酸・塩基のバランスの維持と緩衝作用の主要因子としての作用、その他体液浸透圧の調整、体液の異常喪失の防止であり、ナトリウムは必須のミネラルです。特に神経伝達物質として重要な役割をしているし、体温を上げたり、食欲を増しエネルギーの元となるミネラルです。

ナトリウムは通常、塩化ナトリウム(塩)や炭酸ナトリウム(重曹)として細胞外の体液に存在しています。

〇細胞外の高ナトリウム(Na+)と高カルシウム(Ca+)
〇細胞内の高カリウム(K+)と高マグネシウム(Mg+)

この濃度を維持し、細胞膜を通してナトリウムポンプを形成しています。


【出典】http://spider.art.coocan.jp/biology2/nerveimpulse2012.htm より

ナトリウムの神経刺激伝達に関しては、神経細胞膜を通して細胞の外にあるナトリウムイオンと内液に溶けているカリウムイオンが入れ替わり、その時、電気的変化が起こり、神経細胞の軸索を介して神経伝達が行われるのです。

この神経伝達機構は、細胞内外ミネラルの最良のバランスから生まれます。

【出典】食物療法大全「食」による病気治しの考証 鶴見隆史著

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