医食同源|小麦とパンは肉食と相性がいいが、全粒粉がベター

■小麦粉も精製・漂白しないもの(全粒粉)を使おう

私たちは暮らしの中で、小麦に随分お世話になっています。パンの原料として大切なのは勿論ですが、他にもスパゲッティ、マカロニ、うどん、そうめん、麩や植物性の肉グルテンミートなどが小麦から作られます。

薄力粉、強力粉の区別もご存知でしょう。料理や菓子に使う薄力粉(軟質)よりもタンパク質が多い強力粉(硬質)は、パンの製造やマカロニなどに利用され、用途によって使い分けられます。うどんは薄力粉か、薄力と強力の中間の中力粉を使います。

小麦のタンパク質は主にグリアジンとグルテリンで、これらをまとめてグルテンと呼びます。これをまた麩質ともいい、麩質で作った食品が麩です。麩には生麩と焼麩の二種類がありますが、小麦粉の中のタンパク質ですから、消化吸収がよく、栄養価値が高いのです。

グルテンは、加水分解するとグルタミン酸となり、これは頭をよくする成分として知られています。頭脳は他の組織と比べてグルタミン酸の含有量が多く、その特別の熱量源として消耗されるものといわれ、また、脳や神経の機能に必要なアセチルコリンの生産にも関わってくるからです。

マカロニやパンも、このグルテン質の多い強力粉が使われますが、精白度が高く、一見上等品に見えるものほど栄養価は低くなっているので、献立には十分に副食を加え、ゴマ、緑黄野菜、ニンジンやゴボウなど根の野菜をとり入れて、ビタミン、ミネラルを補うようにしないと、バランスを崩すことになります。

パンは手作りの場合でも、小麦粉に「塩・バター・砂糖・牛乳・脱脂粉乳・イースト菌」などの食品を加えます。市販のパンとなると、これらに加えショートニング・乳化剤・ソルビトール・増粘剤・酢酸Na・pH調整剤など、驚くほど多くの食品添加物が使用されていることが、原料表示からわかります。

これらは全て食品として安全性を認められているものですし、パンに限らず私たちの食生活は食品添加物なくして成り立たないものですが、人間の体や食品についてはまだまだ解明されていないことが多いのも事実です。

だから、パンでも、真っ白なものより、ライ麦、ふすま入りの玄米、ソバ、胚芽などの混入されたものの方が遥かに健康的なのです。せっかく手作りの酵母パンを作るのに、わざわざ真っ白い粉で作るよりも、ふすま入りの内容のよい黒パンを作った方が、健康にもよく、味もコクがあって美味しいものです。

【参考】「薬草の自然療法」難病も自然療法と食養生で治そう 東城 百合子著

以下、”医者いらずの食べ物事典 石原結實著”よりご紹介します。

イネ科の小麦は世界の国々の半分以上で主食にされており、稲と並ぶ人類の二大食用植物で、1万年以上も前から栽培されてきた最古の作物の一つです。ヘブライ、フェニキア、古代エジプトなどの地中海沿岸の人々は、小麦粉に水を加え、こねて焼いたものを主食にしていました。

ある時、古代エジプトの主婦がブドウの搾り汁で穀物の粉をこねたのですが、うっかり放置してしまい、太陽にさらされたこの穀粉が芳香を放っていたので焼いてみたところ、フワーッと膨らみ、味も香りもいつものものと比べて格段によくなっていた、という偶然が、今日のパンを作ったと言われています。

放置している間に、空中を飛散しているイースト菌がくっつき、太陽熱で発酵した訳です。ブドウ汁(ブドウ糖)を混ぜた偶然も、発酵を助けるのに幸いしたことになります。

日本では、パンは明治時代に「あんなし饅頭」として登場しました。しかし、1,872年、銀座の木村屋が「あんパン」を考案して売り出すと、たちまち「西洋饅頭」として広まりました。つまりパンは、日本ではご飯の代用ではなく、あくまでお菓子だった訳です。

今でも「ご飯を食べないと何となく力が入らない」と感じる日本人が多いのは、千年以上も米に慣れ親しんできたDNAが言わしめているのかも知れません。

小麦は米と比べるとタンパク価は低いし、精白した小麦にはビタミン類、ミネラル類の含有量が非常に少ない。しかし、精白前の小麦胚芽にはビタミンB1、B2、Eなどのビタミンの他、鉄、亜鉛、銅、マグネシウムなどのミネラル、食物繊維が豊富に含まれているので、欧米では最近、ガンをはじめ種々の病気を予防するために、全粒麦のパン(黒パン)を食べる人が多くなっています。

小麦は漢方では「涼性」、つまり体を冷やす陰性食品です。だから、体を温める陽性食品の肉と合う訳です。しかし、欧米人に比べて肉食の量がうんと少ない日本人が、体を冷やす牛乳や生野菜と一緒に白パンを食べるという現代の若者風の食事をすると、体温を低下させる原因となります。

現代人を悩ませているアトピー、喘息、膠原病、生理不順、高脂血症、糖尿病、そしてガンですらも、漢方でいうと、体温低下(冷え)からくる陰性病で、こうした食生活もその原因の一翼を担っていると考えられます。

【出典】医者いらずの食べ物事典 石原結實著

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