アメリカで発表された調査と実験報告が減塩神話の元凶

スーパーには減塩醤油や減塩味噌、減塩梅干しなど減塩商品が沢山並べられています。塩の摂り過ぎが高血圧の元凶であると、塩が悪者扱いされてから久しいです。塩が悪者扱いされ、減塩神話が定着した背景にはアメリカで発表された調査・分析が不十分な調査報告と出鱈目な実験報告があります。その概要について、”食物療法大全「食」による病気治しの考証 鶴見隆史著”よりご紹介します。

■アメリカで発表された調査と実験報告

「塩は高血圧の主たる原因物質である」ということは、多くの人が信じています。間違いではありませんが、以下のことから、私はこのことにはかなり懐疑的でした。

【ダール博士の調査】
アメリカのダール博士は、塩の摂取量と高血圧の因果関係を日本の幾つかの地方で調べました。

1日30gもの食塩を摂っていた秋田県人は40%もの人が高血圧を発症していたということ、塩を摂っていないエスキモーの人は血圧が低いということから、食塩を摂ると血圧が上がる決めつけたのでした。(事実は、エスキモーの人々は魚から充分塩を摂っていた。調味料としての塩がなかったに過ぎない)

ところがこの報告が出てから、良識あるグループはダール博士を批判しました。

「調査がいい加減である。1日30g以上塩を摂っている県でも血圧の高くないところが幾つもあり、塩と高血圧は無関係ではないか?」という訳です。


【出典】https://blog.goo.ne.jp/kanpou-shouei より

そこで再調査したダール博士はその事実を認め、「塩と血圧は無関係、血圧に関係あるのは白米」と発表し直したのでした。

ところが、一旦「血圧の犯人は塩」と発表したことは決定的でした。その後の発表など誰も少しも耳に入らず、加速度的に全世界の人々は、塩が高血圧の犯人ということを認識し頭にインプットしてしまったのです。

【メーネリー博士の実験】
もうひとつの実験というのは、アメリカのメーネリー博士が行った実験です。その実験は次のような内容でした。

10匹のダイコクネズミに1日20~30gの食塩を与えました。あまりの塩の多さで喉が渇いたダイコクネズミが水を欲しても、その水は1%の食塩を入れた食塩水でした。そういった塩だらけにしたダイコクネズミの血圧を半年に渡って計り続けたという実験でした。

この1日20~30gの食塩は、ダイコクネズミの通常の1日摂取量の何と20倍もの量だったそうですが、その結果、高血圧になったダイコクネズミは何と4匹だけであり、残りの6匹は正常であったのです。

これだけ過酷な条件下にも拘らず6匹ものネズミが正常であったことを本当は高く評価すべきであったのに、この結果をメーネリー博士は逆に「塩は高血圧の原因」と決めつけ発表しました。

人間が毎日200g(例えば10g×20倍)の塩を摂取したらどうなるでしょうか。高血圧どころかあらゆる病気になってしまいます。真っ先に行われる恒常性の反応は血液pHの正常反応ですが、それが間違いなく破綻するに違いありません。


【出典】https://blog.goo.ne.jp/kanpou-shouei より

【こんな無謀な実験は実験ではない】
この無謀な実験は、実験などというものではありません。この出鱈目な実験を昔の食養家の一倉定は強く批判しています。一倉定は「正食と人体(致知出版社)」の中で次のように述べています。

何とも妙な話ではないか。血圧の上がった4匹のことだけが問題にされ、血圧の上がらなかった6匹は全く無視されてしまったのである。こうした細工が、どこで行われたか知らないが、そのために「塩を摂ると血圧が上がる」ということになってしまったのである。インチキ極まりない話ではないか。

これとは別に、私には実験そのものに、色々な疑問が生まれてくるのである。通常の20倍もの塩というものを、人間に当てはめてみると、1日10gが正常だとしても、その20倍だから、200gということになる。

こんなに多量の塩分を、6ヶ月どころか1日でも摂れるものではない。もしも1日100gずつ2日も摂れば、3日目には体が受け付けない。無理に摂れば吐いてしまう。これは、後述する私の塩の過剰摂取の人体実験からして間違いない。生物体とはこういうものである。

神の与えたもうた自然治癒力は身体防衛能力を持っており、こんなベラボウなことを絶対に受付けないからだ。だから、この実験には何処かに何かの嘘かカラクリがある。

もしも、これが本当ならば、ネズミは人間とは違った生理を持っていることになる。すると、こうしたネズミを実験に使っても、人間には適用できないということになってしまう。このパラドックスを、どう解けというのだろうか。

一倉の指摘はもっともです。人間が200g/日の塩を摂取すれば、高血圧どころか難病・奇病になってしまい、急死するかも知れません。

これらのネズミたちが半年も生き、病気にならなかったことは不思議なくらいですし、こんな条件下で4匹しか血圧が上昇しないのは、逆に言えば、塩と血圧が無関係であることを実証していることにほかなりません。

とにかく、こういったおかしなことから、戦後になって塩が突然高血圧の犯人となり、さらに悪者の代表になってしまっただけでなく、西洋医学の分野でも塩が高血圧の原因と認定されてしまったのです。その結果、医者という医者は、高血圧の患者に「減塩しなさい」「減塩しなさい」というようになってしまいました。

【出典】食物療法大全「食」による病気治しの考証 鶴見隆史著

■減塩効果に疑問を呈する学者は多数

筑波大学名誉教授、杉靖三郎博士は「新栄養(昭和58年12月号)」で次のように紹介されています。

「減塩(5g以下)によって血圧を下げる効果は、病人にはともかく健康人では10g以上でも何でもないことが殆んどであり、体を動かして汗をかく仕事をする人には20g以上も必要なことがある」という報告が米国の循環器系権威者によってなされているということです。

また、杉博士は米国医師会編集の『ヘルス』誌に発表されたジョン・ラルフ博士(米国高血圧の第一人者)が『塩を与えよ!塩は決して悪くない!』という表題の論文や、米国医師会誌(JAMA)の減塩効果はなかったという記事についても触れておられます。他にも多数の日本、欧米の学者たちが同様な意見を述べています。

【出典】塩が泣いている-減塩神話の崩壊- 下平正文著

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