■酵素阻害物質は膵臓に過重労働をさせる

例えば10円玉のような異物を誤飲してしまうと、いつかは大便と一緒に排泄されますが、これが小腸に入った際に、膵酵素が消化目的に出現します。

しかし、いくら膵酵素を十二指腸に発射し続けても分解されず溶けません。それでも膵酵素は分泌し続けます。ストックすべてを使ってでも消化しようとします。やがて膵酵素は涸渇します。それでも膵臓は酵素を出そうとします。その結果、膵臓の外分泌腺は2倍3倍と膨れ上がり、それがガン化していくのです。

10円玉の誤飲は特異な例ですが、ほかの酵素阻害物質に対しても膵臓は同じような作用をします。つまり、酵素阻害物質は膵臓を過度に働かせ、その結果膵臓は疲弊し、やがてガン化していくのです。膵臓ガンの多くはこうした酵素阻害物質が要因になっています。

生の種も酵素阻害物質であるとしましたが、次のような種は例外で、食べても酵素は阻害されません。イチゴ、キュウリ、キウイフルーツ、トマト、ナス、オクラ……これらは種のサイズがあまりに小さく酵素阻害作用を発揮しないのでそのまま食べてもよいでしょう。

これに対して、スイカ、メロン、ブドウ、モモ、ミカン、レモン、柿、大豆、玄米、生アーモンド、生ナッツなどの種はそのまま食べてはいけません。

■種の持つ酵素阻害作用の解除法

大豆、小豆といった大きな種の場合、アメリカの文献では12時間以上の浸水でアブシジン酸(ABA)は解除されるとしています。玄米の場合は17時間以上の浸水が望ましいでしょう。

ゴマ、枝豆、アーモンド、ピーナッツ、ナッツなどは生の場合、アブシジン酸などの酵素阻害物剤が存在しますが、炒ったり、茹でたり、蒸したりして加熱すれば、酵素阻害作用は解除されます。

但し、枝豆は茹でても1/2~1/3の酵素阻害剤が残っているとされます。そこで枝豆の場合は二度茹でを推奨します。ピーナッツは生の場合、やはり4時間の浸水後に空煎りします。アーモンド、ナッツ、ヒマワリの種も同様です。

【出典】食物療法大全「食」による病気治しの考証 鶴見隆史著

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